皆さん、ダイエット中は油は使ってはいけないと思っていませんか?
たしかに、三大栄養素の中でも炭水化物、タンパク質が1gあたり約4kcalに対して、脂質は1gあたりのカロリーが約9kcalと高カロリー。過剰摂取は肥満や高脂血症などの原因になるため、ダイエット中は特に避けたいですよね。
しかし、そんな脂質にはエネルギー源であるだけでなく、細胞膜を作ったり脂溶性ビタミンを運搬したりと様々な役割があります。また、不足すると皮膚がかさついたり、疲れやすくもなります。美容の観点から見ても、良い油を適度に摂取することは大切です。
油にも様々な種類がありますが、大きく分けると「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類に分かれます。
飽和脂肪酸は常温で固体の油で、バターやラード、肉の脂身、生クリームなどの動物性脂肪などが挙げられます。これらは、悪玉コレステロールや中性脂肪を増やすため、控えたい油です。
不飽和脂肪酸とは常温で液体の油で、植物性の油(オリーブオイル、ごま油、サラダ油、こめ油、亜麻仁油など)や魚の油などが挙げられます。不飽和脂肪酸の中でも種類によって良し悪しがあるため解説していきます。
【オリーブオイル】
オリーブオイルの中でも化学的な処理を行わず、圧力のみで圧搾して抽出したエキストラバージンオリーブオイルがおすすめです。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸には、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあると言われています。さらに、美肌効果や食べ過ぎ予防、便秘の解消などダイエットの助けになる効果がたくさんあります。
また、抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミンEも多く含まれ、アンチエイジング効果も期待できます。
【亜麻仁油】
亜麻仁油に含まれるα‐リノレン酸には血中の中性脂肪を減らす働きがあります。また、血行を促したり、便秘の対策にも効果があります。
【えごま油】
えごま油にも亜麻仁油と同様にα‐リノレン酸が多く含まれており、同じ効果が期待できます。えごま油の方がα‐リノレン酸の含有量が少し多いです。
【魚油】
魚の油にはDHAやEPAが多く含まれており、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす働きや、中性脂肪を減らす働きがあります。また、血液をさらさらにする効果もあり、血栓や動脈硬化などを防ぐ効果も期待できます。
【MCTオイル】
MCTオイルとは、ココナッツオイルなどに含まれる「中鎖脂肪酸油」だけを取り出した食用油で近年、健康、ダイエット、アスリートの食事などに注目されています。
一般的な油と比べて、4倍の速さで分解され、素早くエネルギーとして使われるため、体脂肪として蓄積されにくいと言われています。
【飽和脂肪酸類】
上記で説明した、バターやラード、肉の脂身などの常温で固体である動物性脂肪分は避けた方がいいでしょう。コレステロールや中性脂肪を増やす働きがあり、身体にも残りやすいので、肥満の原因やダイエットの妨げになります。
【トランス脂肪酸類】
トランス脂肪酸とは、不飽和脂肪酸の一種で油脂を精製、加工する際にできるものです。マーガリンやショートニング、それらを原材料に使った菓子パン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物などが挙げられます。
栄養として摂取するメリットが一つもない上に、肥満や冠状動脈疾患などのリスクを高めるため、出来るだけ摂取は避けたい油です。
ダイエット中、避けがちな油(脂質)ですが、このように身体を健康に保つのに必要不可欠なものでもあり、ダイエットの助けとなる側面もあります。しかし、どの油も高カロリーであるということには変わりないので、過剰摂取には気を付けなければなりません。
その上で、健康的に痩せていくためにどんな油を摂るのかという点については、意識していきましょう。